大麦若葉とケールと明日葉、原材料が違うと何が変わるのか

ドラッグストアの本部で健康食品の棚を担当していたころ、売り場で一番よく聞かれた質問です。
「青汁って、結局どれが一番いいんですか」

管理栄養士の森下かなえです。
給食の献立作成を6年、ドラッグストアで健康食品の商品選定を5年経験しました。
私自身、健康診断でLDLコレステロールを指摘されてから毎朝1杯飲んでいます。

先に結論を書くと、原材料が変われば数字は変わります。
ただ、その差が出る場所は多くの方が思っているのとは少し違います。

生の葉で比べると、数字はけっこう違います

文部科学省の食品成分データベースで、ケールと明日葉(あしたば)の数値を引いてみました。
どちらも可食部100gあたり、生の状態の値です。

成分ケール(葉・生)明日葉(茎葉・生)
食物繊維総量3.7g5.6g
カルシウム220mg65mg
β-カロテン2,900μg5,300μg
ビタミンK210μg500μg
ビタミンC81mg41mg

カルシウムはケールが3倍以上、食物繊維とβ-カロテンは明日葉のほうが上。
ビタミンCも倍近い開きがあります。
数値はケール(葉・生)あしたば(茎葉・生)のページでそれぞれ確認できます。

同じ緑の葉物でも、得意な栄養素はここまで違います。

その数字は、粉末の青汁にそのまま当てはまりません

ここからが本題です。
いま挙げた数値は、水分を9割前後含んだ生の葉のものです。
ケールは90.2%、明日葉は88.6%が水分です。

青汁は葉を乾燥させて粉にしたものなので、生の葉と同じ土俵では比べられません。
1杯に使う量も、たいてい3g程度です。

たとえば日本薬健の「金の青汁 純国産大麦若葉100%粉末」のパッケージを見ると、1パック3gあたりの食物繊維は1.3gと表示されています。
ビタミンKは81μg、カルシウムは12mgです。

興味深いのはβ-カロテンで、10〜1320μgと幅を持たせて書かれています。
農作物ですから、収穫時期や栽培地で中身が動くということです。
原料の種類より、この「1杯にどれだけ入っているか」のほうが口に入る量を左右します。

売り場で私が見ていたのは、原料名より配合でした

市販の青汁は、ざっくり3つのタイプに分かれます。

  • 大麦若葉やケールを単一で使い、素材そのものを飲むタイプ
  • 主原料に乳酸菌や酵素、食物繊維などを足したタイプ
  • 有機JAS認証を取り、原料の育て方まで揃えたタイプ

日本薬健の青汁シリーズの商品一覧を見ると、この3つが並んでいるので違いを掴みやすいと思います。
大麦若葉100%のもの、純国産ケールに乳酸菌と酵素を合わせたもの、有機大麦若葉に有機明日葉を配合したものというように、設計が分かれています。

味の傾向も原料で変わります。
ケールは青臭さと苦みが出やすく、大麦若葉は抹茶に近くクセが少ない。
明日葉はその中間、というのが私の実感です。
毎日続けるものなので、飲める味かどうかは栄養価と同じくらい大事だと考えています。

原料が何であっても、ビタミンKだけは先に確認してください

最後にひとつ、必ず書いておきたいことがあります。
血液を固まりにくくする薬のワルファリンを服用中の方は、青汁を自己判断で飲まないでください。
ビタミンKが薬の働きに影響するためです。

日本薬健も商品ページのよくある質問で、ワルファリンカリウムを処方されている方は青汁の摂取を控えるよう案内しています。
原料が大麦若葉でもケールでも明日葉でも、葉物である以上ビタミンKは含まれます。
薬を飲んでいる方や通院中の方は、まず主治医か薬剤師に相談してください。

まとめ

原材料の違いは、生の葉で比べればはっきり数字に出ます。
けれども粉にして3gを1杯にした時点で、効いてくるのは原料名よりも配合量と続けやすさです。

厚生労働省の令和5年国民健康・栄養調査結果の概要によると、日本人の野菜摂取量の平均は1日256.0gで、健康日本21(第三次)が掲げる350gには届いていません。
その差を埋める道具のひとつとして青汁を使うなら、選ぶ基準は「どの葉か」よりも、栄養成分表示に書かれた量と、明日も飲める味かどうか。
私はそう考えています。